拡散 する 身体 の
ななひと

縫合線 の はしる 海 に 浮かぶ
顔 を 塗り潰された 人形 の
重量 を 感じながら 人間 を
比重 として とらえる。
私 は 海中生物 に 近い 形 を とり
重曹 を 呼吸 する 擬態 を 演じ続ける。
起源 を 持たない 波 の 集合 としての 海 が
極めて 模造的 な 私 の 心音 を 取り込み 拡散していく。
私 の 身体 は そのとき そこかしこで 映り込み 転写 されていくだろう。



自由詩 拡散 する 身体 の Copyright ななひと 2003-08-26 02:05:50
notebook Home 戻る  過去 未来