扇風機
服部 剛
スタンドの明かり一つ
扇風機の音が聞こえる部屋
木目の壁に映る
後ろ姿の影は
黙って首を振り続ける
明日
どんなに騒ぐ人がいようと
やる気の無い人がいようと
ぼくはぼく
凸
(
で
)
っぱるおばちゃんや
凹んだ兄さんの間に突っ立って
額に冷や汗たらしつつ
不恰好に皆と手をつなぐ
案山子
(
かかし
)
になりたい
夜寝る前に
じっと見るのは
まっすぐ伸びた背すじで立つ
扇風機
日々の猛暑に
腐りかけていた
ぼくの頬を
風が撫でる
自由詩
扇風機
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服部 剛
2007-08-13 23:22:40
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にちじょうの、あれこれ。