レモネード
及川三貴

混じり合う
紫越しに
薄煙を見て
つま先で
水を弾くように 
駆け出した
風切る頬を
午前に残して
水平線の先に
潜り込む 指先から
少し遠い君の手
湿って宙を掴む
影が坂道を
転がり落ちてく
息を止めた
憂鬱を投げ出せば
空に踊る眠り 
指の先で風が
鳴っていたなら
左耳が海を呼んでる
渦を巻いてる白い雲
たどり着いた丘の上
グラスの中で溶ける
君の街を見てた


自由詩 レモネード Copyright 及川三貴 2007-08-10 23:53:47
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