祭りの夜だというのに街灯は
たりぽん(大理 奔)

私がいなくても
何かが生きている気配
熱量のないぬくもり
それは香りで感じる

嫌いな言葉
じゃすてぃす
ふりーだむ
びくとりー

   わざと口に出しては
   目尻で笑ってみる
   合成っぽい酒の方が
   今夜は上手く酔えそうだ

私がいなくても
生きている気配
談合っぽい帯域の
着信ランプが教える

ぬくもりは思い出すだけのもので
この手にはなく
幸せな気分になったつもりで
送信ボタンを押す

嫌いな言葉
のーまる
こもんせんす
さくせす
薄っぺらなものは
いつでもたいそうな名前だ

   偽装してみる
   嘘をつくのではなく
   知らないままの方が
   幸せだって気付く

あんたがいなくても
私が生きている気配
声を聞いたらさびしいから
熱量の無い言葉

光が無いだけの闇で
待ってみる
香りだけをたよりに
自分で決めた方向に

  手を伸ばす

もう、おそれたりはしないさ










自由詩 祭りの夜だというのに街灯は Copyright たりぽん(大理 奔) 2007-08-10 23:35:08
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