日記帳
あおば

                  070810



意味無し芳一の日記を読んで
日記を書こうと思った
中学二年生の夏
暑すぎる日はプール
雨の日はごろ寝
晴れたら自転車に乗って
虹色の世界を見つけに行った
お金があれば
どこにでも行けるとは
知らなかったので
自転車で行けるところが
世界の果てで
電車に乗って
遠くに行くのは
ルール違反で
誰にも許可されていないことで
死ぬことと同義であった
意味無し芳一の日記を読み終わってから
日記を書き出したので
意味のある日記の書き方が分からない
分からないままに一冊書いて
二冊目は途中まで書いたまま
中学校を卒業したので
どこかに紛れた日記帳
オレンジ色の蛍光灯に照らされて
意味無し芳一のところにあるのだと
思うようになった

あれから何年経ったか分からないが
意味のある
中学二年生の夏がまだ来ない





自由詩 日記帳 Copyright あおば 2007-08-10 05:38:44
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