砂時計
愛心

いつも心に砂時計。

感情が、さらさらと、砂になって滑り落ちる。

濡れていれば、掴めるのに。捕まえるのに。

心の隙間を通り抜け。

神経の間に滑り込み。

涙腺に入り込む。

ざらざらした感触が。

渇いた頬にまとわりつく。


《遅いんだ。外気に、さらされてからじゃ。》


君の音色に乗せて。

砂時計は時を刻む。

潮の匂い。

忘れようとした。

砂浜の匂い。

思い出したくなかった。

初めて知った。

失恋の感触。




自由詩 砂時計 Copyright 愛心 2007-08-09 15:27:09
notebook Home
この文書は以下の文書グループに登録されています。
創書日和、過去。