ウィリー、ウィリー、きみの名は(文極バージョン)
角田寿星

ウィリー、ウィリー、
どうか、
きみの名前を思い出してほしい

訪れる者もない、荒れた墓地で、
いつまであふれる愛を憎しみにかえて、
この世を呪いつづけるのかい?

ウィリー、ウィリー、だから
きみの名前を思い出してほしい

きみの名は、

ジゼル。

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(*_*)つ[しおり]
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(前回までのあらすじ)

村の娘ジゼルに恋をした貴族アルブレヒトはお忍びでジゼルに近
づきあっという間に恋の炎がバーニング。同じくジゼルを好きな
森番のハンスはおもしろくないのでアルブレヒトの正体を暴こう
とあれこれちょっかいをかける。そんなでこぼこ三人組の愉快な
人生模様はバチルダの登場によって唐突に幕を降ろすことになる
んだねなんたってバチルダはアルブレヒトのモノホンの婚約者だ
から。ハンスのよけいなお節介も手伝って真相を知ってしまった
ジゼルは絶望のあまりそのまま悶死してしまうんだなおこれは
フィクションであり特定の個人および団体とはなーんの関係もな
いらしいよ。

第一幕、おわり。

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(*_*)つ[しおり]
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第二幕。

夜。
そりゃもう、夜。
ずっと、夜。
ずうっと、ずっとずうっと、夜。

ハンス殺られちゃった。
かわいそうなハンス。

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(*_*)つ[しおり]
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「博士 大丈夫ですか?」
「なんだね助手のアルブレヒトくん」
「悪霊ウィリーに身をやつしたジゼルの救済は可能でしょうか?」
「非常に困難といえるね…明日に橋を架けるのと同等の困難さだ…
 しかし わしは人類の叡智に賭けてみずにはいられないのだよ
 ワトソンくん」
「ぼくはアルブレヒトです博士…しかしどうやって?」
「人間が近寄ると呪いをかけられて死ぬまで踊らされるからな
 そこでわしはロボを用意した!ロボ祈祷師だ!
 ロボ祈祷師にオハライをしてもらい ジゼルの魂を救うのだ」
「思いっきり宗教がちがうような気がするんですが…」
「心配ない!ロボは赤青黄桃緑の五体いる!オハライは強力じゃ!
 これは東洋ではゴギョーといってそりゃもう由緒ただしいらしい
 ゆけい!ロボよ!!」
「………………」
「………………」
「…教授…」
「わしは博士じゃ…なんじゃその…踊っとるな ロボ」
「踊ってますね ロボ」
「ううむ ロボでさえ呪いには無力か 恐るべしウィリー!!」
えらやっちゃ えらやっちゃ よいよいよい よい
「博士…ロボの踊り あれはなんですか?」
もえってあがるはぁ おはらはー さっくらーじーまー
「うむ あれはおそらく日本古来よりつたわる古典舞踊じゃな」
はあー ほっかいめーいーぶーつ あ どーしたどしたぁ
「…つまり?」
「あのロボはHONDAから発注したのじゃ メイドイン・ジャパンじゃな」
つっきがー でったでーたー つっきがぁーでたー
「教授」「ワトソンくん」
「…たのしそうですね…」「…たのしそうじゃなほんとに…」

……………………
(*_*)つ[しおり]
……………………

あたしアルブレヒトといっぱいえっちした。いっぱいいっぱい
えっちしたわ。アルブレヒトは優しく激しくあたしを突いてく
れた。上になったり下になったり前からも後ろからも。ベッド
の上で台所で藁のなかで草むらで教会の裏で。あたしはずっと
アルブレヒトのちんぼこを離さなかった。手のひら口のなか
おっぱいの間まんこのなかにずっと大切に仕舞っていたわ。い
つでもえっちできるようにずっとハダカでいたりエプロンだけ
身につけたりスカートだけ履かなかったりした。あたしはお尻
をつきだしてあまあい声でアルブレヒトを誘うの。食事はいつ
も口うつしで食べさせあった。一度だけハンスを縛ってころが
してそこでアルブレヒトとえっちしたことある。ハンスがあた
しを好きなことは分ってたから。あたしたちがしっかり繋がっ
ているとこをこれでもかと見せつけてやったわ。ハンスったら
泣きじゃくりながらちんぼこをあんなに硬くさせて。その時ア
ルブレヒトが耳もとで囁いてくれた言葉を今でも思い出す。

心のこり?あるわよやっぱり。
あたしアルブレヒトともっとえっちしたかった。もっともっと
もっとえっちしたかった。あたしアルブレヒトが王子さまだっ
たらいいのにって思ったことがある。そしたらお城のバルコ
ニーで演説するアルブレヒトのちんぼこをこっそりしゃぶった
り玉座でえっちしながら大臣に命令を出したり賓客を迎えたり
時には一糸まとわぬ姿で馬に乗って領内を巡回したりできるの
にな って。
でもほんとに王子さまだったなんて。あたしはただアルブレヒ
トとえっちがしたかっただけなのに。もっともっと肌を重ねて
いたかったのに。いろんなえっちをいろんなところでやりた
かった。だってそれが愛なんだから。

……………………
(*_*)つ[しおり]
……………………

「どうしても俺たちは闘わなくてはいけないのか?ジゼル」
「えぇい聴く耳もたぬわアルブレヒト!
 食らえぇぇ!!ウィリーデスバレェボム!!!」

ぐぅわしゃぁぁぁぁ しゃきーん! しゅうぅぅぅぅ

「ふ 昔のわたしとは違うのだよジゼル この程度でわたしは倒れない」
「ジゼルぅぅ? ぐうぅぅぅ その名前で呼ぶなあぁぁぁぁ!」
「行くぞジゼル!! アルブレヒト流星ゴールデンサイクロン!!!」

きゅいぃぃぃーん ごごぉごぉぉぉぉぉ

「きしゅあぁぁぁぁ! おのぉれぇぇぇ アルぅブレヒトぉぉぉ!!」

(もうすぐだ、もうすぐだジゼル、
 きみがきみの名前を思い出すまで)

……………………
(*_*)つ[しおり]
……………………

やがて
夜がしらじらと明けて
ウィリー、ウィリー、
ぼくは何もできないけど
ぼくはぼくの愛をささげよう

ウィリー、ウィリー、きみの名は。

『ジゼル』http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%82%BC%E3%83%AB


自由詩 ウィリー、ウィリー、きみの名は(文極バージョン) Copyright 角田寿星 2007-08-08 21:34:19
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