今 この時
アハウ

今 朝日を額に受け
まぶたの裏には
暖かな血流を感じ

息を整え始めた

鳥の声 高く昇り
青空がイメージされる
白い雲と

背中に負った 過去が流れ出す

(悔いるべき愚行)(優しい母の顔)(伊豆の仙山)
(海水浴に入道雲)(喜びの歓声)(愚かな情念の色彩)

水面に赤いブイが見え隠れする
立ち上がり そして 消えてゆく表象
楽しみ 苦しみ

過去が音もなく 今に流れ入る

その微細な表象に
暖かな波動 祝福された形態 
見慣れぬものが混じり始める

あるだろう未来からの映像だ
未来の夢を託す 文物をきっかけに
植物の生長のように ゆっくり やって来る

私の『第三詩集』
未だ来ぬ未来のイメージの種
生長を始める

暖かく 華やかな 時 未来
東の窓を開け放つ 朝日 勤行
野菜サラダ とり止めの無い話
経机での書き物 南海のエメラルドブルー
光  未来 そよぐ風 雲の行方 白

今 今なのだ
過去と未来が融合し
台風の目のような 一点 今

『今』が大地に宇宙に開かれ
無限の深さを持つのは

今を力いっぱいに 生ききる

過去も未来も『今』に含まれるから


自由詩 今 この時 Copyright アハウ 2007-07-25 22:15:54
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