ヒーロー
ロカニクス

ヒーローだったことについて
話す気になった
守るものを見つけたから

ヒーローの後の仕事として
誰からも愛されないヒーローになり
どこに行くにも
無人島がつきまとった

悪は相変わらず空から落ちてきた
土に馴染むより早く
切り刻めば良かった

無人島に慣れて
紐を付けるほどになると
誰からも感情の起伏を貰わなくなった
それだけでいいと言い聞かせても
町の凸凹を普通と名付けると
心が旅立つ気がした

最後に会った悪は
無人島を抱えていた
紐を付けないのかと問うと
いつか、人が来たときのために
と答え海に向かって落ちだした

海に浮かんだ無人島二つ
そこはいつも丁度良く晴れている
これだけが吐ける真実



自由詩 ヒーロー Copyright ロカニクス 2007-07-24 16:38:56
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