大好きなリアル
ゆるこ

四畳の和室は
ぴゅうぴゅうと風が吹き荒れて
窓際に掛けた古い制服の横で
私と云う個体が何かに脅えている
 
(そうら
(夏だよ
 
 
CDは何度も繰り返しながら
ゆっくりと世界を丸めていく
それすら
煩わしいと言わんばかりの重力が
 
 
(ほうら、
(包み込む
 
 
どうせなら藍色になりたいんだ
きらっきらした銀色に囲まれて
 
そんな束縛が
どんなにどんなに安心か
 
 
ぼろうり

溢れた流星群
 
部屋の隅の誰かの死体
 
行き場のない愛情が
まこと静やかに通り抜けた
 
 
(ほうら
(眩しい
 
 


自由詩 大好きなリアル Copyright ゆるこ 2007-07-24 11:05:19
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