青く鼓動する
灯和

 ひんやりとした湖の底で
 青を反射しているハートの指輪
 の持ち主など、はじめから居なかった
(その周りで
 目を濁らせ漂う魚たち
 は、
 宛ら、雑踏でせめぎ合っている
 吐き出された何十もの息のようで

(人々の        …あつい。)



 新月の夜だけを飼い馴らして
 誰にも聞こえないというのに、
 微かな呼吸を探す唄を、歌わせていたこと
 どうか、

     覚えていて。





  窓の外、映り込んでいる
  虹の住処すみかの色
  あわい 

      
      静脈の、いろ。


自由詩 青く鼓動する Copyright 灯和 2007-07-22 13:59:56
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