ひとにやさしく
ゆるこ

夜中に浮かぶ雲達を数えていると
酷く寂しくなることがある
 
同級生の机に花があったときのような
猫が車にひかれていたのをみたときのような
 
そんなとき
私は数える手を一旦辞めて
三年前に造ったきみのスープを飲む
 
胃のなかに無造作に流し込まれるスープには
全ての世界の温かさが凝縮されている気がして
一時的な効果でも
私はちびちびと飲み込むのだ
 
全て飲み干す頃に
私の瞳から大量の思い出が無意識的に流れでる
特に感情はなくて
心のコップから溢れでたものが
決壊したように永遠を彩る
 
 
少し汚れたタオルで顔を拭いたあと
私はまた雲を数え始める
 
 
(やさしいひとに、なるために)
(みんなをしる、ぎむがある)
 
 
 
街路樹が優しく舞う蝶を殺さない世の中になってほしい
 
そんな甘い、願い


自由詩 ひとにやさしく Copyright ゆるこ 2007-07-21 09:46:22
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