サイン
藤原有絵

いつも目の前に
「もしも」
を二つ用意する

願っていない方の
もしも
だったとしても
驚きすぎたり
悲しみすぎたり
しないように

少しでも
耐性を持っていようと
思って

思っていただけだったのに


いつからか

いつも
楽しくも
悲しくも
どちらでもない
そんな私をみつけてしまって


っと思う


何か
間違ったものを
半分半分にしてしまったから

どちらでも
曖昧なままなんだ


そう思ったら
それが一番悲しくて

たとえば

笑えなくても

泣けなくても


あの人といることに
一生懸命になって

本当に辛い事がおこるとしても

それがやってくるまでは
そんなもの
知りませんよ
と いう涼しい顔をして


そう
一生懸命

あの人の言葉を聞いたり
あの人に話しかけたり


ちゃんとしよう




自由詩 サイン Copyright 藤原有絵 2007-07-21 02:13:27
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