泣きながら西瓜を食べる少女
ヨルノテガム






赤い山の頂上は削られて
お菓子もアイスも
好きだけれども
ジュースを食べていたい

燦々と照る陰の地下水のように
しみ出してくる
地面の地層をかじり当てたい

口元にほくろがあれば色っぽいのよ
こりゃあ 大きいや
吹き捨てちゃえ 5mへ

歩きながら、
ママンに追いつきながら、
それでも山を削りながら、甘い雨が身体に拡がりながら、
涙が出ながら、真っ赤な血みたいに輝きながら、
ほくろをあちこち邪魔に吹き飛ばしながら、
このコンクリートだらけの道に 
ほくろが根付くことは無いまま

ママン 待って!

誰か一緒に入ってくれるなら 
スイカファンクラブ作りたいワ と
おませを考えながら、
赤い半月を縦にザクザク切って
赤い山脈、1つ二つ3つ4つ 両端は転げて平野になって


少女ならば
蝶々のように
山頂の雪を
舐めていたい
ほんのり甘いよ
甘いよ、わたしバッタになっちゃった
カブトでもいい
キュウリは嫌よ嫌よ
山脈の高い山脈の赤いそれに、


抱き締めていたい


抱き締められていたい

ワタシの涙、
迷子に思われてるん?






赤い山脈、消えた














自由詩 泣きながら西瓜を食べる少女 Copyright ヨルノテガム 2007-07-18 02:30:20
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