五月のイカロス
本木はじめ
飛行場だった廃墟に忍び込むと
僕は思わず
飛行機になってしまう
両手を広げ
雑草の生い茂った滑走路を
全力疾走
夜風は冷たくて気持ちがいいな
思わず顔が微笑んでしまう
いつの間にか「キーン」とか叫びながら
これが自由なんだと
簡単に口にしてしまう
滑走路が段々ボコボコに
崩れているのがわかったとき
僕は不意にばらんすを崩し
前のめりに転んでしまった
僕は飛行機じゃなかった
自由詩
五月のイカロス
Copyright
本木はじめ
2004-05-20 00:27:53