黒毛のグランドピアノ
hiro

君は前脚を
威風堂々と開き
後脚を           
上品に揃えた
私は黒毛の艶やかな
毛並みにうっとりし
そっと撫でた

吸込まれそうな眸
見とれていると
君はこちらを見やった
お互い見つめ合う
すると君は
どうぞお乗りください
と言う
私は鍵盤蓋をあけ
君に跨った

蹄が私と君の重みで
地面にめり込む
風が鬣を靡かせる
そして私は手綱に手をかけ
勢いよく君を弾く

君は声を高らかに響かせ
私を黄色光に照らされた草原へ
いざなった


自由詩 黒毛のグランドピアノ Copyright hiro 2007-07-17 01:27:49
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