さみしいよるは
ゆるこ

 
 
あなたが教えてくれたうたを
繰り返し うたい続ける
 
なげだした足にまとわりつく憂鬱は
綿菓子の最期みたいにねっとりして
組み敷かれたうたは
少し雑音が入っていた
 
無駄に湿らせた部屋の
からりとした空間に
あなたの名前をさがしてしまう
 
指先でなぞる
魔法使いは
 
優しい夢ばかりを
生い茂った樹海からもってくるもんだから
思わずコーヒーは飲めないブラック
選んでしまう
 
 
唇が乾いて
寂しさがざらついて
そのまま風化すれば
ようやく 眠れるのに
 
 
私は一人
お留守番する少女のような気持ちで
なにもないシーツをまた掴む


自由詩 さみしいよるは Copyright ゆるこ 2007-07-16 22:55:15
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