変化
AKiHiCo

だんだん遠くなってゆきます
嘘を並べては崩すように詰め寄る眼
この心に貴方が少しずつ消えては
思い出に脚色をして語り出す唇

あのころはたのしかったですね
とてもしあわせでした
こくうをみつめてもなにもかえってきません

その優しさが当たり前になって
気付けば煩わしさへと姿を変えていました
いつの頃からでしょう
私たちの心に歪みが生じ始めたのは

一生を貴方と共にすると誓ったあの日
それに偽りはありませんのに
何か違和感がしこりのように取れません
理想だけが高く蒼穹にまで聳えるばかりです

追い求めてきた理想とは
こんな世界じゃなかったはずなのに
遣る瀬無さを貴方にぶつけては
独り寝台で涙する日々が続きます

つめたくせっしないで
わたしだけをあのころのようにみて
なによりもわたしをゆうせんして

変わったのは貴方じゃなくて私だと



自由詩 変化 Copyright AKiHiCo 2007-07-12 03:10:44
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