君が英雄になるように
ロカニクス

It was a dark and stormy night
暗い嵐の夜だった

犬小屋の上
黄色い小鳥が彼の元へ向かう間
はかないひとときに夢を見ている
書き出した小説の本筋
もしくは自分=スーパーヒーローという図式

あるいはこの体この胃袋で
吐き出したり飲み込んだりして
その浅薄さ故にある種とても残酷な愛を睦びあった
一匹の犬であるという事実とだからこそ優しい現実

全ては暗い嵐の夜からだった
生まれたことも
ジョー・クールは日曜の午後が嫌いだということも 
丸頭の子供が運んでくるご飯皿も
世界中に散らばった家族たちも
彼らを束ねて飛び回る立派な自分も
本当は悟りすぎて淋しいということも

みんな暗い嵐にさらわれていった
後に残されたのは
レッド・バロンが残していった友情?
いいえ文字化け!

最初から取り戻すための人生だった
暗い夢に暗さをかければ
もう何もかも物語になってしまう
そう小屋の中で眠るわけにはいかない

さあ行こうソップウィズ・キャメル
目を覚ませお前は第一次大戦の空のエース
かわいそうなブライターたちよ
この中空回転で敵機を撃墜してやる



目の前に自分じゃない色がある
青空も緑の芝生も赤く塗られた屋根も
この手で制したのはうたかただったというのか
攫いようなく、何度でも攫えるように、世界は広い

黄色い小鳥は文字化けしたりしない
新しい世界は自分が駆けつけるのを待ってくれる
だから彼らが好きなんだ



自由詩 君が英雄になるように Copyright ロカニクス 2007-07-11 16:54:17
notebook Home 戻る  過去 未来