CHE.R.RY(完全版)
円谷一

 君の存在を世に知らせる為に僕は詩を書く
 毎日欠かさず 君に近づく為に
 手放しでも確実に天国に近づいているよ
 自殺した人は何処に行くんだろうね?
 僕の考えた世界かな?
 このまま終わるのは嫌なんだ
 人の為に 君の為に書いていこう
 君は僕の一部 宇宙の一番隅っこに君の住む星がある
 僕が君に宛てて書いた手紙はきっと書いている時から見てるんだよね?
 自分に厳しく詩を書いている
 君に触れられない 君の遺灰を掬って空へ零す
 どれほど苦しんで君は死んだんだろうね?
 僕は苦しくて頭の中が真っ白になることがしょっちゅうあるよ
 何の為に詩を書くか ある人に言われたことがある
 これは自分の為に書いているのかもしれない
 三つの条件を満たす詩を書くことは僕にできるかどうか分からない
 君は死に 人々は冷徹で 僕は欺瞞だ
 爽やかな 暖かみのある 遠慮がちの詩を書けばいいのだろうか?
 僕は神様は信じないが 運命は信じる
 君と逢えた奇跡
 僕は自分のペースでゆっくりと進んでいくよ
 その反面 焦燥感が全身を駆け巡る
 君は死んだんだ 僕を愛すことなく死んだんだ 雲の上のような存在のまま
 僕は君の好きだったプラネタリウムを全部持ってきて 君のお墓の前でお供えするよ
 僕は君のお墓の隣に遺灰を置いて貰うんだ
 僕に君のピュアな心を 君に僕の生きる夢をあげるよ
 あの日の思い出は僕の宝物 世界一重い涙が零れてくるよ
 明日詩が書けなくなるかもしれない
 そう思い僕は無理をしながら全力で書いている
 甘く実った果実のような曲を聴いて
 詩と共に生き続ける
 君の死体を晩春の夜の冷たいアスファルトの上で見つけて
 心の底がアスファルトだと気付いて
 いつだって僕と君はあの歩道を歩いている
 記憶の額縁に二人の写真を挟んで
 また楽しくてしょうがない詩作に取りかかるのです


自由詩 CHE.R.RY(完全版) Copyright 円谷一 2007-07-10 04:03:54
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