創書日和「星」 星願
山中 烏流
空に浮かぶ
小さな、輝きたちを
指先でつまんでは
ごくりと飲み下す
たくさんの色で
彩られた私は
いつか、同じように
あの空に浮かぶこと
夢、見ている
**
いつか聞いた
確か
おばあちゃんから
聞いたような
気がする
「あの輝きは
地球という生き物の
たった一つの
感情表現なんだよ」
満更
嘘でも無いのだと
思った
***
いつか、命が終わる
その時
私は
地球という生き物の
感情となって
永遠に
生き続けるのだろう
多分
*
たくさんの色を
幾重にも纏ったまま
空を、見上げる
手を伸ばして
また一つ
ごくりと飲み下す
私が
重くなる
****
ほら、また
生み落とされた
*
無意識に
手を伸ばす、私の
頬を流れ落ちた
雫
それはふわりと
宙を舞って
あの空に浮かんでいく
浮かんで、いく
とうに望みなど
叶っていると、いうのに
私はまだ
気付かないで
いる。
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