茶人と将軍(共作版) ー 銀猫・服部 剛 ー
はっとりごうと素敵な詩友達 〜連詩ぷろじぇくと〜
利休の茶室は
入口が小さかった
天下を取った秀吉が
身を屈まねば
入れぬほど
弟子の手がすべり
お茶を畳にこぼす
利休は
(まぁ気にするな)と
ゆるしてやった
秀吉は
(けしからん)と
怒声を上げた
秀吉の茶室は金に輝き
入口は大きかった
金の茶室に
入らなかった利休は
首を刎ねられた
*
月日を重ね
逸話も今は昔
ふたりはそれぞれの歴史で
語り継がれているが
将軍の名誉と
茶人のこころとを
天秤にかける者は無い
そう溜息をつく私の肩を
茶人はぽん、と叩いた
* この詩は、後半の3連を
銀猫氏が書き加えて完成しました。