キンコム2
たけ いたけ
鉄筋の音が聞こえたなら青空だった
構築されていく巨大な塊は
恐怖と当然と意味世界に溢れている
砂漠に見える
置き去りのカメラは
捨てられたものか
ずっと名残を砂を噛むように味わいながら
地面を見つめている
秘密の部屋を
扉の無い秘密の部屋を
食傷も水分も
円卓も妖怪も
蜜柑もヤモリも
ウミホタルも折り紙も
霊柩車も
秘密の部屋に存在はない
そこを突き抜ければ
その鉄板を突き破れば
そら
ブラジルなんだ
キンコム テントム
音がする
裏側まで
巨大な鉄筋柱は
もう我々の手には負えなくなっている