茶人と将軍 
服部 剛

利休の茶室は 
入口が小さかった 
天下を取った秀吉が 
身を屈まねば 
入れぬほど 

弟子の手がすべり 
お茶を畳にこぼす 
利休は 
(まぁ気にするな)と 
ゆるしてやった 
秀吉は 
(けしからん)と 
怒声を上げた 

秀吉の茶室は金に輝き 
入口は大きかった 
金の茶室に 
入らなかった利休は 
首を刎ねられた 





自由詩 茶人と将軍  Copyright 服部 剛 2007-07-07 03:36:05
notebook Home