眼の中
狩心
眼の中に地球 、地球の中に人々がいる
人々の中に心があって 、心の中に歴史がある
傷つけた歴史 、傷ついた歴史 、もしくはモニュメント 、干乾びた体
瞼を閉じて 、夜が来る
終わらない踏切と近づく電車の音
の中に 、干乾びた体 、都会の鳥たちの密談
泡立ち過ぎたシャンプーが頭皮を傷めて 、真っ赤に染まる
時雨色のカーテン
赤子を 、井戸の底に埋めた
干乾びた井戸に水が湧き始める
砂漠のオアシス 、そこに映る月
一つ 、美しく震えて
自由詩
眼の中
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狩心
2007-07-06 11:10:11