雪の残る街 〜季節とココロの裏側で〜
Rin K



また会えるからサヨナラと言った
雪の残る街
いつものように見送った僕を
覚えていますか

赤いコートの裾が揺れ
乾いた風に凛と鳴る
あしたもきっと青空だね
ふたり信じていた

ポケットのなか繋いだ右手
あの日離さなければ
君の背中を追うことなんて
きっとなかったよ



   *


冷たい風が足もとかすめた
青い鳥が発つ
ふいに受話器をつかんで離した
君は出ないから

時を重ねてゆくたびに
人を傷つけたこの指
もしも君がそばにいたら
もっと傷つけたかな

両手広げてつかんだはずの
夢はすり抜けて
ひとりきりでも手を合わせれば
胸が熱くなる



追いかけていた君の影さえ
いまも、届かない・・・









自由詩 雪の残る街 〜季節とココロの裏側で〜 Copyright Rin K 2007-07-03 23:23:54
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