Jail Fuck
maynard

自覚するのに長い年月を要した
幼くも美しく純粋だった俺の魂は
お前達によって偽物と摺りかえられた
未だに鼓動を打ち続けているという事は
俺はまだ生き続けているんだろう
傷口が腐って異臭を放っているにしろ
傷跡が癒える事は無いにしろ

汝生存で受けた痛みを隣人に施せ

炎の海 立ち泳ぎを強いられている
束の間の安息が欲しい
氷の山 登山を強いられている
少し眠りたい

もっと近くに寄って来い
俺の瞳に映るものが覗けるぐらい
もっと寄り添って来い
お前の臭いが嗅げるぐらい
魂で感じてくれ
禁圧の囲いに解き放たれて
不完全な俺が生きたまま
焼かれ凍り詰めにされた事を

汝生存の痛みを隣人に諭せ

まだ呼吸し鼓動を続けているって事は
お前はまだ生き続けているんだな
傷口が傷跡になっても腐っているにしろ
もっと近づき寄り添ったらどうだ
俺とお前のものが確認できるぐらい
お前に魂で感じて欲しいんだ
俺が元通りに戻れるように
禁圧の囲いの中での解放
俺はこの血と肉の器の有効性を証明する
この足枷の様に与えられた器のみが
魂の媒体として機能し
俺の心に癒しと安息をもたらすのだと

両手足を繋がれ
頭を抱えて
目を閉じ耳を塞いだお前は
なんと愛くるしく見えることか

俺は完全なる輪を一周して戻ってきた
一時的な正気を
縛られたこの両手の中に見止めた
聾唖よ 盲目よ これはすぐに終わる
お前達はなんと愛くるしく見えることか


自由詩 Jail Fuck Copyright maynard 2007-07-03 21:52:45
notebook Home 戻る  過去 未来