追い風だ 進め
山崎 風雅

 俺は人生の荒浪にさらわれし旅人
 地獄もみたし、天国もみた

 まだまだ、旅は続くけれど
 一休みしている

 

 夏の灼熱の太陽を浴びて
 軒下でちょっと佇んだ

 必死でしがみついた神には見放され
 それでも
 生きていこうと腹をくくった

 容赦ない過酷な運命
 光差す方へ
 君の香りのする方へ
 なりふりかまわず
 突き進んだ

 多くの矢が体中にささった
 涙は見せなかった
 心は悲鳴をあげていた

 自分で自分をなぐさめ
 これが一生続いても
 人生を諦めることはしないと誓った

 春が通り過ぎ
 梅雨が重くのしかかり
 余計な重荷を
 ためらいながら捨てていった
 恐かった
 恐ろしかった
 未知の世界に飛び込むようで

 自分を励ました
 自分を慰めた

 どうしようもない夜は
 ひたすら歯を食いしばり
 生きることに執着した

 時に
 風向きが変った
 きらめきが俺を照らした

 捨てる神あれば拾う神あり

 運命の人に出会ったんだ
 そうなんだ

 ゆっくりだけど心の氷河は溶け出した
 追い風だ
 進め

 無様な俺を笑っているものもいた
 それでも、希望は捨てなかった



 そして今
 風を感じている

 マイナスの経験がプラスに変るマジック
 季節が巡るように
 俺にも空色の季節が来た

 ありがたさを今痛感している

 神はその価値がわかるものに恵みを与える
 願いをすることさえしてなかった
 それでも
 生き地獄でも
 生きていこうという覚悟

 神様の心中はわからない
 でも
 そんな僕にも
 心地よい風が
 今、吹いてきた

 追い風だ
 薔薇色の生活は目の前だ
 進め、俺!

 


自由詩 追い風だ 進め Copyright 山崎 風雅 2007-07-02 00:40:57
notebook Home 戻る