訪問
山崎 風雅


 夏が玄関口まで来てベルを鳴らした
 
  こんにちは、私、夏と言うものです!

 元気一杯の挨拶
 その声だけで俺をいらつかせた

  帰ってください!
  間に合っています!

  イヤ、とりあえず話だけでも
 
  間に合っています!

  ほんの少しでいいんです!

 暑い、暑い、暑い

 そのうち玄関の扉の隙間から
 部屋に入ってきた

  やめてください

 もう、汗でだくだくになった
 家の中の温度が一気にあがった

 たいへんだ!
 こんな調子ではろくに家事もできない
 夜も寝れない

  帰ってくれよ
  お願いだから

 夏は部屋中に散らばってのさばった

 そう言えば毎年のことだ
 
 仕方がないので
 そうめんを食べた






自由詩 訪問 Copyright 山崎 風雅 2007-07-01 17:42:30
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