まばたき
床野トイツ

まばたきのあいまに

 この空は
 つくりものなので

   階段の向こうの誰かが
   おしゃべりに夢中で

   プールサイドの高い椅子の上で
   うたたねしていて

   Etudes d'execution transcendanteを聴きながら
   加算機を叩いていて

   忘れていた

 カランを閉めれば
 たちまち陽が差す

とかんがえてやめた


自由詩 まばたき Copyright 床野トイツ 2007-06-30 01:15:33
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