サラダ
サダアイカ (aika)

うちの窓から
朝日はみえない
きっとどこかの窓からは
朝日がみえる
みえるのだろう
夕べ
流しの三角コーナーに
食べ残したサラダを捨てながら思った
サラダの中の胡瓜が細かくなる前
のスーパーの野菜コーナーの前
のトラックの暗闇の前
の青々としたつるに繋がった
とげとげとした体を思う
日々姿を変えながら
生きていた
食べ物は数日で腐る
三角コーナーの中で
彼らは埋葬されたのだと思う
思う
居心地のいい場所や人は
そんなに多くはないし
多くはいらない
ひとりには多くは必要ない
恋人も家族も友達も
バランスを変えて移動して
みんな、いつかは死ぬ
生き物なので
一緒にいられるのは一瞬だ
ハムも肉になる前は豚の一部だったので
それもやはり短い間
きっとどこかで朝日がみえて
トップルのついた缶詰を
カッキリとあけるみたいに目を覚まして
カーテンを開ける
たとえここからは見えなくても


自由詩 サラダ Copyright サダアイカ (aika) 2004-05-15 14:20:02
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