21P 「短歌2」より
むさこ



子等の留守 語る事なく夫と居て
硝子戸たたく雪を見てゐる

入試終え帰りきし子は降る雪の
中にレコード買ふと出で行く

ミニを着て鏡の前に立ちみれば
膝にかくせぬ年と知らさる

裸木に眞赤な凧がかかりいて
冬温き雨に濡れいる

川沿ひに夾竹桃は咲き残り
大文字山の送り火近し


短歌 21P 「短歌2」より Copyright むさこ 2007-06-22 22:38:14
notebook Home 戻る