おっぱい
れつら


夏なのに重ね着して
どうしてって
肩紐がみっつずつある日
ひとつずつほどけていくのがへん

いっぺんにたくし上げて
胸の上で きゅう となった君のうすかわ
そういえばふたりで歩いていたあいだは言ったよ確かに
そのキャミソールいいね

きみはすこし
眉間に皺をよせている
困っているのかもしれない
蛍光灯から逃げるようにふとんをひきかぶって
しっとりと濡れたおっぱいを包む
しろい

サンダルひっかけて海とか
日焼け止め塗らなきゃ、なんて
そんなら海なんかいかなきゃいいのに
結局焼けちゃったって言いながら
みたいなことを思い出しながら
もう黙って、だまってる
ぼくの手はきたないかもしれない
きみのおっぱいをよごすかもしれない
それできみは困ってしまって
眉間に皺をよせていて
そのまま唇のはしをすこしあげて
肩紐を
いっぽんずつ、ほどいていく

ほどいていくほどに
おっぱいが水みたいに跳ねる


自由詩 おっぱい Copyright れつら 2007-06-16 06:42:29
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