搾取
朝原 凪人

銀色に輝く
紋白蝶の魔法の粉
きらきら

どれほど集めれば
自由に羽搏けるといふのでせうか
あをいそら

一枚二枚
母の髪を梳くやうに
幼い私
蝶の翅をもぎ取るのです
やさしく

ですが私のからだ
地表を漂ふだけ
ふらふら

そこには
かつて蝶の一部だつた
ひらひら
かつて蝶だつた残骸
ばらばら

私はそれを
眺めておりました
からからと



自由詩 搾取 Copyright 朝原 凪人 2007-06-15 22:00:15
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