横断
小川 葉

黒揚羽が横断歩道を渡る
触覚から送信された
メッセージをつかまえて
少しばかりのやりとりをした
それが最初で最後
横断歩道はもうない
黒揚羽が暮らす部屋の匂いも
知ることはなかった


自由詩 横断 Copyright 小川 葉 2007-06-13 23:51:53
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