わるい頬
A道化





あなたがいた
ある午後のことを
ただ
あおいビー玉と
して


ふと
体をわるものと認めたら大人になり
わるさがすでにこころに及んでいることに
気付くころには、あ、夜しかない
純な誘いからもダラリと逃げ、乗り込んだ電車の
ジー、ジー、ジー、
暗い緑散り落とす蛍光灯に無抵抗に覆われ
こころにまた色が積もってゆき、積もってゆき、
ねえ、
層だらけだ
床を伝う液体は
ソーダ水ではない何かだ
ダラリ、ダラリ、
ねえ、床を伝う液体は
ソーダ水ではない何かだよ


ああ、ただ、あおいビー玉と表して
含んだままの頬は溢れそうな
息をするたびに溢れそうな
ぬくい、にがい、あおい、こころ
ジー、ジー、ジー、層にまみれながら
ジー、ジー、ジー、


あなたがいた
ある午後のことを
ただ
ぬくく、にがく、あおく、
ぬくく、にがく、あおく、


2007.6.12


自由詩 わるい頬 Copyright A道化 2007-06-12 11:41:18
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