こむ

骨は 眠らないのだけれど
眠っているということにしたい
わたしたち

その上には
幼いころからなじみの
山でも いっとう大きな木

幼いころからなじみの
いつもきつく吹く風が
今も吹いて

青空にひろがりたいと
つぶやくように
ざわざわと ゆれる
大きな木

ざわざわとゆれる 葉と葉が
何か別のもののように
銀色に ゆれる

私が あることを
ここに あることを
くっきりと区別された
影がつぶやいている
つぶやきながら
ゆれている

だから 肉なるからだを
光にさらしている
わたしは
やはり 今はまだ
見ないことにして

銀色にざわめく
光あふれる午後に
目を閉じて
引き返すことにする


自由詩Copyright こむ 2007-06-12 01:01:55
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