チェリーコーク
柚木

真面目ぶって受ける授業と
最低賃金のバイト

作り出した自分に囚われて
結局そこに生み出された
中途半端な疲労感

中途半端な疲れを癒すには
安い炭酸のチェリーコークと
見知らぬ男とのセックスで

当たり前のように見つけた
小さな逃げ
くだらない日常に
ほんの少しの刺激をくれる


コンビニの良く冷えたチェリーコーク
それは喉を刺激する
安っぽいのに強い炭酸
チェリーとは名ばかりの
人口甘味料の甘さ
どれもこれも
私の身体にしみ込んでいく

それがどうしようもなく心地よくって
それはどうしようもなく繰り返す


出会い系サイトで知り合った馬鹿な男達
それは心を刺激する
安っぽいのに派手なホテル
愛情とは名ばかりの
セックスのための甘さ
どれもこれも
私の身体を壊してく

それがどうしようもなく心地よくって
それをどうしようもなく繰り返す

愛を知らない私でも
繋がることは出来るんだよ


真面目ぶって受ける授業と
最低賃金のバイト

子どもにだって悩みはあるんだ


だから私には
チェリーコークとセックス


何もかも忘れさせてくれる刺激

それはちっとも優しくないけど



ほら
痛みが私と言う存在を認めてくれる



だから私には
チェリーコークとセックス



朝になれば
黒いセーラー服に全てを隠しこんで

軽い足取りで校門をくぐる


だって私は優等生


チェリーコークのことは内緒なんだよ


自由詩 チェリーコーク Copyright 柚木 2007-06-11 00:55:01
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