背伸び
ロカニクス

滅茶苦茶にされた背伸び
搾取されゆく背伸び

二つの背伸びの距離を
埋めようとする僕とあなた
そのとあなたのとを
掬い上げようとした光の差す隣人

帰ってきた隣人
かつて山羊だったかと察される蝙蝠
その牙を渡す隣人

粉々にして炒める
熱々の新米に振りかけて
三人で食卓を囲む
懐かしさで体が温まる三人

山羊も恐竜だったんだよ
とあなたの言うことはそれなりに真実
けれど鵜呑みにする訳にはいかない
積み上げられる皿と幾許かの骨

とあなたのとと僕の背骨を
天秤で比べようとしたら

あなたがあなたの背骨を
僕の背骨の隣に置いた
それだけのためだった背伸び




自由詩 背伸び Copyright ロカニクス 2007-06-10 21:01:25
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