星が降る夜に
なかがわひろか
空を見上げると
あまりに星がたくさん瞬いていて
まるで降ってきそうだと思っていたら
降ってきた
星はぷよぷよしていて
僕の手の中でもしっかりと輝いていた
もっと大きなものだと思っていたから
もっと熱いものだと思っていたから
学校で習うことはほんの一部なんだと思った
僕は家に帰って
ランドセルの鍵の部分に
星をくくりつけた
きっと明日学校に行ったら
みんなの羨望の的になるに違いない
僕ははやる心を抑えながら
眠りについた
次の学校に行くと
みんなのランドセルの鍵の部分に
星がついていた
どうしたんだいと聞くと
昨日の夜たくさん降ってきたからさと
友人が言った
(「星が降る夜に」)