星が降る夜に
なかがわひろか

空を見上げると
あまりに星がたくさん瞬いていて
まるで降ってきそうだと思っていたら
降ってきた

星はぷよぷよしていて
僕の手の中でもしっかりと輝いていた
もっと大きなものだと思っていたから
もっと熱いものだと思っていたから
学校で習うことはほんの一部なんだと思った

僕は家に帰って
ランドセルの鍵の部分に
星をくくりつけた

きっと明日学校に行ったら
みんなの羨望の的になるに違いない
僕ははやる心を抑えながら
眠りについた

次の学校に行くと
みんなのランドセルの鍵の部分に
星がついていた

どうしたんだいと聞くと
昨日の夜たくさん降ってきたからさと
友人が言った

(「星が降る夜に」)


自由詩 星が降る夜に Copyright なかがわひろか 2007-06-10 01:55:02
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