独りの夜
北大路京介

部屋の温度が静かに落ちていって
居るはずのない あなたを抱き寄せる

逢いたいとき逢えない人だって
解ってるけど さみしい独りの夜

誰より好きと言えるのに 誰より想っているのに
あなたのそばで今夜も あの娘が笑っている



ポトり 涙がグラスに落ちていって
ひとりぼっちのワインを口にする

あたし独りの あなたじゃないことは
解ってるのに 指先が求めてる

誰より好きと言えるのに 誰より想っているのに
あなたのそばで今夜も あの娘が眠っている


 あたしの耳元で呟いた言葉
 あの娘にも同じように囁いてるんでしょ

誰より好きと言えるのに 誰より想っているのに
あなたのそばで今夜も あの娘が笑っている

誰より好きと言えるのに 誰より想っているのに
あなたのそばで今夜も あの娘が眠っている あの娘が眠っている


自由詩 独りの夜 Copyright 北大路京介 2007-06-09 17:48:06
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