デメイ
ミゼット



くちびるはサンザシの小枝
水滴を払う手の甲

デメイ
獣かそこらを従えて
女神に挑んでころがりおちた
(燃え尽きはしなかった
 デメイも女神の眷属だから)
ふたつに縛った髪はほどけて流れた
獣は流れに飲まれて死んだ
(女神の眷属だけれども
 無事には帰って来られなかった)

デメイ
獣のしっぽを掴んで歩く
払った水滴は草木を伝って地下へ行く
くちびるはサンザシの枝
しなって今にも折れそうな枝
あざのできた顔を上げて
髪をかきあげて
でたらめに歌って帰る
デメイ


自由詩 デメイ Copyright ミゼット 2007-06-07 19:23:32
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