白蝶 
服部 剛

よく晴れた日 
玄関を開くと 
小さい向日葵ひまわりの植木鉢が 
倒れていた 

恋に傷つき震える 
君のようで 
ぼくはかがんで 
倒れた鉢を両手で立てた 

向日葵は少し、顔をひろげた。 

自転車にまたがり 
水面みなもこぼれた光の踊る 
川沿いの道を走る 

きらめくせせらぎは  
今日逢いにゆく 
君のこころの川であった 

一羽の白いちょうが 
目の前のかごに落下して 
ひととき楽しく舞ったあと 
青空へ 
還っていった 





自由詩 白蝶  Copyright 服部 剛 2007-06-05 20:59:02
notebook Home 戻る  過去 未来