終曲
海月

僅かな希望の芽を摘み取る
君の手は狂気に染まっていた
少し透明な爪が痛々しい

心に閉じ込めれた過去
出会いの中にいくつ別れを感じればいい

答えのない質疑を繰り返す
木々の陽射しが君の頬を光らす
瞳は漆黒に輝く

現実の中に知らぬ間に何かを落としていく
無形物ばかりで誰が拾うのを待ち侘びている

あの白い鳥が自由の意味を知るのならば
今の僕達は不自由の意味を知る

生と死の曖昧な境界線
誰かの心の中では咲く花
枯れない泉が其処に在る

自分で好きな所を忘れられたら
きっと全てを忘れてしまうでしょう

静かに潮風が草木を揺らした

優しい音が流れ
僕の視界は閉じた


自由詩 終曲 Copyright 海月 2007-06-01 21:52:15
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