屋上
たもつ

屋上はあった
屋上は食べた
金属の感じがする手すり
その向こうに
川は鈍く流れた
その流れの先に
わたしの家はあった
ドアノブがゆるくて
屋上のない家だった
食べなかった
少し曲がり
低い市場があった
人は歩き
優しいので
傾くときもあった
引きずった跡が絶えなかった
屋上からは
いつもそこまでだった


自由詩 屋上 Copyright たもつ 2007-05-31 14:36:17
notebook Home 戻る