雨日和
そらいろ☆コゾウ

それは私がわんわん泣いていた日のことでした。

雨がまるでデンデン太鼓のように響いていて
私はいつかの魔女を思い出していました。
確かアンパンマンに退治されたはずの。

一人のときに来るから、怖いんです。
雨が降って魔女が誘き寄ってくるのです。

時間がないなぁ、といいつつも暇なので
私はひとりで映画を観ます。
それにも飽きたフリして
あなたに会いにいくんです。
言い訳は
小沢健二をきいていたからと言えばいいかな

あなたは
雨はそんなに怖くはないよ。と言って笑って
ローズヒップの紅茶を飲ませてくれました。
それはとても温かく
あなたの綺麗な指先が
とても優しく撫でる様に踊っていました。

あなたは
泣きたくなるほどかっこよかった。

私はまたわんわん泣いて
優しいあなたは笑ってました。

その笑顔を他の誰にも見せたくないと
馬鹿な私は本気で思って
また少し泣いたのを覚えています。

雨は全てを浄化して涙も流してくれるから。と
あなたは穏やかに私を抱いてくれました。

今でも雨が降ると
魔女が忍び寄ってくるものだから
わんわん泣いたりもするのですが
あなたの影がそっと浮かんで

あぁ私は大丈夫ですよ


自由詩 雨日和 Copyright そらいろ☆コゾウ 2007-05-31 11:06:42
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