ふたり
蒼穹

ただの憧れだけだったなら どんなに楽だろう
数歩先を歩く後ろ姿 顔なんか見えなくたって
笑っているのがわかる 距離

目分量で注いだ優しさ 芽吹く日が来るのはわかっていた
君の心と 僕の心を 線で結んで 円を描いて 途切れないで
嗚呼 今日も ウソが嫌いな君の前で 自分の気持ちにウソをつく

あっと言わせるよりも ほっとさせてあげる
強がるのはやめにして もたれかかって

このままでいいなんて思ってない だけど

白馬の王子様だったなら 君を救えるのに
いつも助けられてばかりだって 悔しさが胸を打つけど
それと同時に 幸せだから

深呼吸で稼いだ迷いが ゆっくりと晴れていくのがわかる
君の光と 僕の光が 空に浮かんで 風が溢れて 気持ちよくて
嗚呼 今日は ウソで固めた僕の声が 昨日の僕らにウソをつく

んって振り向く君と はっとしている僕と
震える右手を 君は 握ってくれた

このままでいいなんて思ってない ふたり

にって笑った顔が ほっとさせてくれる
強がるのはやめにして もたれかかるよ

このままでいいなんて思ってない ふたり


自由詩 ふたり Copyright 蒼穹 2007-05-28 22:20:45
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