虚無の風
吉岡ペペロ
梅ちゃんに、また会いたいなあ、
そうつぶやくと
また三郎に、あの風が吹いてきた
三郎は
ふいにじぶんに吹いてくるその風を
虚無の風、と呼んでいた
風に吹かれて幾千万の粒子となったそれは
ゆき場を失いあふれかえり
やがて、空にむかって届かぬ旅を始めるのだった
三郎は、その幻視に虚無を観じていた
梅ちゃんに、また会いたいなあ、
そうつぶやくと
また三郎に、あの風が吹いてきた
三郎は
ふいにじぶんに吹くその風を
虚無の風、と呼んでいた
自由詩
虚無の風
Copyright
吉岡ペペロ
2007-05-28 12:39:00