高速
ロカニクス

君によく似た笛に吹かれて
呪文になっていました

手紙と思っていたのは小さな扉でした
沈みながら走りましたが
波は見当たりませんでした

わーわーあー
詰まっています

あの魚に伝えるべきことが貝殻から生まれます
悲しいという口が無い
それだけが幸せでした

突き詰めていけば
父はカルシウムでした
母は絵の中の象でした
鳴き方を教わったのですが
口を教えてはくれませんでした

数えて数えていけば
あんなに大きな小鳥もあんなに小さな宇宙も
一に終わります
二になるのは数だけなので
数学者は優しい人です
手のひらは触らないためにあるそうです

こうして色々なことが分かった今も
君に唱えられるのを待っています
そちらの天気にまだ朝はありますか




自由詩 高速 Copyright ロカニクス 2007-05-27 12:24:47
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