go missing
maynard

お帰り
俺ら皆 現に疲弊しきっている
俺ら全てひっくるめて 魂の洞窟で
慄く明日に楔を打ち込んでよじ登っていくんだ
純真でピッケルを作って 希望でザイルを撚るんだ
足元は大丈夫かい?
足元は信念で固めるといい

下らない俺ら つまらない術
今俺らに大切なのは 下は見ないこと
頂上でのご馳走ヨロシクね

夜がまたラメで飾り立てて黄色い鎌を振りかざしてる
俺らはまた後ろ向きに吹き飛ばされ
クルクルと転がってうつ伏せに倒れる
傷だらけで痛んだ心を繋ぎ止めておくのは
あの日の遊具から出ていた蜘蛛の糸

下らない俺ら つまらない術
歪んだ足ではこの明日は登れない
見えない頂だけ夢見ていよう

街の明かりが俺らを照らし出し
眩しさで遮れば 夜空が微笑んでる

迷って遭難して 山賊たちは焦り転げまわる
移ろいやすい山の天候であっては
どこも安全とはいえない
見慣れぬ雲が流れてくよ
俺らはあちらこちらに散らばって 
回避しようとあくせく
手製の道具で必死にしがみ付く俺ら

下らない俺ら つまらない術
耐えるんだ 耐え忍ぶんだ
負けるな 己に負けるな
夢という名の幻が 憂いで消えていく


自由詩 go missing Copyright maynard 2007-05-27 10:57:45
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